2008/12/08

- 第3号 - 年末のごあいさつ

今年も、いよいよ暮れゆく時節となりました。
昨年は、バブル期に迫る不動産と建設業界の景気が訪れた後、後期からは米国のサブプライムローンの風邪が世界中に蔓延し、経済界では急激な景気の減速感が漂いました。そして本年は、100年に一度の未曽有の不況が訪れた年とも言われております。
前世紀まで、中央政府の官公庁や自治体にまかせたままの「まちづくり」や、企業(供給側)の理論でしか「もの」を選択することしかできなかった市民(需要側)は、このような一方的な20世紀型社会の構図に、終焉を見た年でもあったような気がします。もう官が主導・制御する時代ではありません。

21世紀になり、物流の高速化とインターネットの爆発的な普及により、送り手(供給側)と受け手(需要側)が密接な関係になりました。人々が求める物事をリアルタイムに受け入れ、それに即答ができる産業が生き残る世界となりつつあります。老若男女問わず、携帯電話でメール文通を行い、家庭や会社等とインタラクティブ(双方向)な関係で、連絡報告事項を処理するなど、既にインターネット(情報化・高速化)は知らずして、確実に私たちの生活のインフラとなっております。

斯様な世情を鑑みますと、いよいよ個人の考えや、地方の在り方が、企業・行政を動かし、本格的に時代を変えてゆく世相となりました。逆を申せば、リアルタイムに変化する情報に対応する能力が求められる時代です。ある学校では、一つの課題について、生徒にインターネットを使って情報を精査させ、そこで考察したことを先生に発表させているそうです。つまり生徒のモチベーション(やる気や問題提起意識)をくすぐりつつ、物事への関心度を向上(育成)させながら、生徒から新しい情報や考え方を教わるという逆転の構造が、これからの有能な教師の姿なのかも知れません。そのためには、従来の狭い専門とは異なる、新しい「知と方法」を身につけ、時代の変革に、臨機応変に対応できる能力が不可欠です。教育の世界でも、問題解決を有効に進めるための「関係づくり」やリーダーシップのあり方を習得し、さらには情報処理などの技法を身につけた人材が求められる時代でもあります。

全国に多くの東海大学のネットワークをもつ母校でも、個(生徒や卒業生)と地方(付属校etc)の考え方が重視される中で、会員一人一人が、今後も各地におきまして、21世紀型のキーパーソンとしてご活躍されることをご期待申し上げます。私も時代の変革の潮流に流されぬよう、来年も一層精進し、母校をより活性化して参る所存でございます。

最後に、来年も、当同窓会に対しまして、変わらぬご支援を賜りますとともに、会員各位の益々のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、年末のご挨拶といたします。  以上

平成20年11月30日
東海大学付属浦安高等学校同窓会
第5代会長 青山 真士

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