2017年04月18日

『輝かしい敗戦』 久しぶりの寄稿です。継続という習慣性の未熟さを、今もって痛感する次第です!

今地方の在り方が問われております。「坂の上の雲」のような右肩上がりの成長期に節目を迎えて、「集の中の個」は急速な情報化の時代におけるカタチづくりを模索している気が致します。地方に多く付属校を持つ東海大学もそのひとつと考えます。 私は「地方議会ニュース」の記者として、2月の千代田区長選挙を取材しました。いち地方選挙が全国の注目を浴び、投票率も前回から10ポイント急上昇しました。過去に例がありません。

この選挙は自民党都連と小池陣営が別候補者の後ろ盾となり総力戦を展開。結果は小池知事代理戦争と言われた石川現区長が5期目の圧勝を果たしました。国政第一党の後ろ盾で出馬した与謝野氏がトリプルスコア以上の大差で惨敗しました。区民はあきらかに自民党都連(内田体制)にNo!を突き付けたことになります。マスコミや自民党でさえダブルスコア程度との意見でしたが、開票結果を見てみると平成に入って初めて投票率50%超えを記録。多くのメディアは、小池パワーが投票率も向上させ、その上乗せの票が圧勝をもたらしたと伝えています。

今回の選挙のように一方的展開が予測されるケースでは、一人勝ちの雰囲気が漂い、どうせ自分一人が投票しても・・と投票率の向上は期待出来ないのが常です。小池旋風もありましたが、投票率アップの要因は他にあるように思えます。

なぜ国政第一党が推薦する与謝野氏と石川氏に大差(投票率差10%以上)あったのでしょうか?注目すべきは五十嵐朝青氏の得票です。彼の獲得した3976票を与謝野票と併せると、多くのメディアや有識者の予想したダブルスコアよりも低くなります。つまり小池VS内田(自民党)の代理戦争に嫌気がさした区民が、ネームバリューでもなく、政党の後ろ盾もない五十嵐氏に票を投じ、結果無名の新人が与謝野氏と800票の差もなかったのです。五十嵐氏にインタビューしたことがあります。

「一人一人に接してより良き区政を伝える戦いをしたい。青臭いと言われますが(笑」。 選挙戦の合間に接した五十嵐陣営は若いボランティアを中心に、組織力が感じられない実に地味な選対であったが、活気と熱意はかなりのものでした。

国政第一政党VS小池都知事というポピュリズム(大衆迎合)的な選挙戦において、メディアの注目も圧倒的に少ない中、票を投じた千代田区民の15.7%、全有権者の8.4%がこの若者に投票しました。「なにかが違い、なにか変われる・・」この不確実性、感覚的な様相だからこそ、五十嵐氏が地道に獲得した票や投票率アップ等の出来事に、これからの日本の政治のあり方を変える可能性と、この先の東海大学の学園の在り方を垣間見ました。

五十嵐氏の落選は輝かしい敗戦です。―了―

<写真>2017.4.14撮影

散る桜、残る桜も散る桜、また咲くぞ!と散る桜・・すくすくと育っております。